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新学期は何月? 学校教育の変遷

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おはようございます。高橋ひろしです。

 

昨日、萩生田文部科学大臣が入学時期(新学期)などの9月への変更を検討すべきだという声が上がっていることに関して「社会全体でこのスケジュール感を共有できるのかどうかという課題がある」と述べました。

 

欧米は9月入学

各国で学校の新学期はさまざまですが、欧米など多くの国では「9月入学」が採用されています。この理由は諸説ありますが、7~8月に収穫を迎える農作物が多く、自然と9月が始まりになったという説などがあります。

日本では「4月入学」ですが、こちらはきちんとした理由があります。それは当時の大蔵省の財政的な問題から決まったものです。

 

日本が4月入学なのは国家予算の都合

1871年(明治4年)の廃藩置県と同時に文部省が設置され、翌年から学制(8年間の教育)がスタートしました。翌年の明治6年から西暦に切り替わったことで「1月入学」になりました。

ところが、当時の日本は農業がメインであり、地租(今でいう固定資産税)の納税タイミングに合わせるという理由で1875年(明治8年)には「7月入学」に変更になりました。明治8年度といえば、明治8年7月から明治9年6月となり、これが定着しました。

しかし、明治18年度の国家予算の都合で明治18年度は3ヶ月短くして3月に終わりにしてしまおう!と決定。そのため、1886年の明治19年に「4月入学」となり、現在まで続いています。ここから文部省ができ、義務教育という言葉ができ、教科書制度(検定も含む)もでき、小学校令施行規則という指導方法が確立し、現在まで続いています。 ただし履修年や区分は何度も変化があり、小学校が6年間になったのは1907年(明治40年)です。


「4月入学」に決まったのは、前年の7月です。入学時期をずらすのは、結構あっさりできたのです。ただし、いずれも「入学時期を早める」という方法をとっており、今回のように「入学時期を遅らせる」というのは現実的に難しい問題が多々出てきます。

 

小学校はネットを使った自宅学習はできない

日本ではネットを使った小学校の授業は法律上不可能になっています。現在、国会で今回に限った期限付きの新しい法律を議論中ではあるものの、保護者には就学させる義務があり、小学校は学校に行かなければいけないのです。現在でもフリースクールや自宅学習は「就学義務を履行していない」とされているので、子供は小学校に在籍する形式で担任の先生が訪問したりしているのです。

 

 

学校以外でも教育を受ければOKという国も多い。

イギリスでは「教育を受けさせる義務」が制定されていて、家庭教師やパブリックスクール(授業料が高い教育施設)などによる教育も認められています。アメリカでは公立学校のみが義務教育の対象であり、プライベートスクール(私立)やホームティーチング(自宅で家庭教師や親が教える)の場合は義務教育が免除という制度になっています。

 

 

江戸時代の日本の学力は世界で評価されていた。

江戸時代。日本の教育制度は世界的に評価されていた資料が多数残っています。寺子屋や藩校(幕府や諸藩が領内に設けた学校)が多数あり、7歳や8歳の子供が今で言う大学レベルの数学を説いていた形跡があります。家で手伝うことが無いときは、今で言うゲームやスマホのように数学を説くのが流行っていて、「数学なんか説いていないで!」と怒る親も多かったとか。オランダ語や英語を読み書きできる人もそこそこいて、英語で看板を出しているお店の記録もあります。

 


日本の昔の教育の本質。海外の教育の本質。そういったことも見ながら、日本の新しい教育をつくっていきたいですね。

 

高橋 ひろし https://line.me/ti/p/@584zlqhm