オリンピック開催結果後はどうなるか?
おはようございます。高橋ひろしです。
今年開催される予定だった東京オリンピックが来年に延期されています。オリンピックが伸びたことにより、開催までは経済がなんとか持つだろう(持たせる)と考える人もいますが、今日はもう少し長期目線で、過去の具体的なデータを見ていきましょう。
過去の事実データを見る
前回の1964年の東京オリンピックのときは、翌年にぐっと景気が落ち込みました。これは金融引き締め政策がとられたことも影響していると考えられますが、データとしては翌年はぐっと景気が落ち込み、しかし、2年後には景気が戻っています(この落ち込みは、昭和40年不況と呼ばれています)。
現在のオリンピックのような体制になった1984年のロスアンゼルスオリンピックからを見ていくと、1996年のアトランタ大会、2016年のリオ大会を除いて、各国とも、開催翌年に一度景気が落ちこみ、そして2年後にはほぼほぼ同じ水準まで戻っています。
これが今までの事実データですので、大雑把に言ってオリンピック開催翌年は景気が悪化し、2年後には元に戻る事が傾向として読み取れます。少なからず、開催後は景気が悪化すると見込んで事前準備しておくべきでしょう。
翌年は落ち込んで、2年後には「現状」に戻る事が多い
今回は新型コロナウィルス問題で延期になりましたが、開催2年後に回復するというのは今年まで戻る、という事です。つまりこの現状までしか戻らない可能性も十分あります。
観光業界が大打撃を受けていますが、そもそもオリンピック開催中、通常の観光客は、大会開催中の物価高騰や混雑を避ける傾向があり、大会期間中の観光事業への貢献はむしろ限定的になります。 こうしたことから、、「ほとんどのオリンピックでは、開催国のみが大きな損失負担を強いられる」「余程の例外的な場合でない限り、収益を生むことはない」等と結論づけるケースが多くなります。
国は「オリンピック資産の有効活用でこうなります」と宣伝していますが、オリンピック資産の資産を活用してプラスになった事実は非常に少ないケースです。
オリンピックの追加費用は日本負担
さらに、今回の場合は延期に伴う費用が発生します。東京大会組織委員会は2013年にICOと開催を契約しましたが、その契約で「追加費用は開催国が負担する」となっています。
ICOは「数百万ドル(数千億円)の負担を覚悟している」と発言していますが、これは開催国以外の国際スポーツ連盟や各国オリンピック委員会への補填のために拠出されるもので、開催国である日本は日本で負担する必要があります。これは意図的にほとんど報道されていませんね。
日本負担の追加費用は6000億円程度と見込んでいるようですが、もともとオリンピック費用は約1兆4000万円としていましたが、去年12月の会計検査院の監査報告書では、既に3兆円近くかかっています。 今回見込んでいる追加費用も最終的にはかなり膨れ上がるでしょう。
予測をして備える事が大事
未来はわかりませんが、過去から予測することはできます。開催した翌年は景気悪化、2年後は現状まで戻る。そこまで悪くならないと予測する人は、もっと悪化すると予測するのと同じです。 最低でも過去のデータから考えがれる景気悪化に対しての心積もりは、今からしておきましょう。