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今季のインフルエンザの患者数と検査

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おはようございます。高橋ひろしです。

 

今季(2019~20年)、全国でインフルエンザにかかった患者は推計約730万人で、前年の約6割だったことが国立感染症研究所のまとめで判明し、公表されました。

月別に見てみると、12月に患者数が増え今年のピークは結果的には12月末。例年のパターンだとさらに1月や2月にかけて患者数が増えていくのですが、今年は非常に少ないまま終息を迎えています。今季は新型コロナウイルスの影響で、手洗いやマスクの着用などが徹底されたという意見もありますが、新型コロナウイルスの警戒が無かった1月や2月に少ないことから、今季はそもそもインフルエンザが抑えられていたのでしょう。

それでも、今季のインフルエンザ入院患者届出数は12995人(厚労働省発表)。死者数はまだ出ていませんが、例年だと3000名程度。実際は、インフルエンザが直接の死因で亡くなる人の他に、インフルエンザがきっかけで他の疾患で亡くなる人も多くいるため、インフルエンザというのはそれなりに怖いウィルスです。

 

急に出てきた定点医療機関


さてこのニュース。昨日各メディアで報道されていますが、気になる書き方がありました。例えば朝日新聞。「定点医療機関から報告される1週の患者数が10人を超えると「注意報」、30人を超えると「警報」が自治体ごとに出される目安となる」と書かれています。

定点医療機関の説明はまったくありません。定点医療機関とは全国に約420箇所あり、ここからの患者数が報告されてきて、「注意報」や「警報」が出ます。 急にこのような報道をしたのは、新型コロナウイルスと比較してあまりにも患者数が多く、新型コロナウイルスの問題が薄れてしまうからと判断したのでしょう。

たしかに患者数が約730万人と言われてしまうと、新型コロナウイルスで大騒ぎしているのはなぜ?と疑問を持ってしまう人がいるのでしょう。しかし、私達は、そもそもそういった事を無意識に仕込ませてくる記事そのものに疑問を持てるようにしなければいけません。 

 

インフルエンザの検査が行われていない?


同時に多く聞かれたのが、単純にインフルエンザの検査を行っていないからではないか?という意見です。中にはインフルエンザの検査が禁止されていると思いこんでいる人もいます。 

もともと検査というのは、医者が症状や臨床診断などからインフルエンザである疑うのある人に、さらなる確定診断のとして検査を行うものです。 検査は主に綿棒で鼻やのどの奥をぬぐったりしてウィルスに対する抗体を反応させるものですが、この検査の時に新型コロナウィルスに感染する可能性が高いことから、この検査を行わないでインフルエンザと確定させる医療機関が出てきています。 「インフルエンザの検査は中止」と明記していると、インフルエンザと診断してもらえないと思いこんでいる人もいますが、検査が中止なだけであり、診断は出せます。 むしろインフルエンザではないのにインフルエンザと診断されるケースが増えてしまうでしょう。

 

病院の「検査」をしっかり認識しよう


新型コロナウィルスで、「検査」を誤解する人が増えています。 今回はまだ具体的な対処方法がないことや、拡大を防ぐことが急務ですので、疑いのある人の検査が行われていますが、通常、検査は疑いが濃厚なケースでのみ行われるものです。

インフルエンザの季節だから、インフルエンザにかかっていないか検査しようかな? と検査を申し出る人はまずいないでしょう。  インフルエンザの患者に接触したら元気だけど検査してください! と申し出る人もほぼいないでしょう。 インフルエンザらしい症状を自覚したから病院へ行って、医師に検査してほしいと申し出るのがごく普通の「検査」です。 実際に、新型コロナウィルスの検査では94%の人が陰性です。これはインフルエンザなどでは考えられない数値です。

そもそもインフルエンザを含めて一般的には確定した「感染者数」という概念がありません。 確定した「患者数」のみです。インフルエンザでも無症状であることはありますが、そういったケースではそもそも検査にいかないので感染者数を出すことはできないのです。

 

通常と例外を意識的を持って区別する

こうやって言われると、新型コロナウイルスの情報や行動だけが極めて例外的だということがわかります。例外的だと認識すると、通常の事との比較の土俵が違うことや、例外的に考えなければいけないことが見えてきます。今年は例年よりインフルエンザの流行がぐっと抑えられていますが、夏でもかかるものです。そして夏では医者もインフルエンザの疑いより他の疑いをするので、結果的に検査をせず患者から検査をお願いしてインフルエンザと判明するケースも少なくありません。

 

新型コロナウイルスに気を取られがちですが、同時にインフルエンザや一般的な風邪などにも注意して、過ごしていきましょう。

 

高橋 ひろし https://line.me/ti/p/@584zlqhm