米、領空開放(オープンスカイズ)条約から脱退
おはようございます。高橋ひろしです。
22日、アメリカは領空開放(オープンスカイズ)条約から脱退すると通告しました。この通告よりアメリカは6カ月後に脱退手続きが完了し、これでアメリカは、イラン核合意と中距離核戦力(INF)全廃条約など、次々と国際軍備管理条約から脱退します。
「オープンスカイ」との認識違いに注意を
先にこのオープンスカイズ条約=Treaty on Open Skiesを「オープンスカイ」と報道しているメディアが結構ありますが、日本でのオープンスカイはOpen Skies Air Transport Agreementを示すことが一般的であり、こちらは航空自由化協定で民間機の乗り入れや上空通過国を範囲内で自由に認める協定で別のものです。
相互監視・データ共有で軍事力を透明化
今回脱退したオープンスカイズ条約とは、アメリカやロシア、イギリスなど35カ国が加盟(日本は非加盟)する軍備管理条約。お互いに事前チェックした非武装の偵察機を領域内に派遣することを認め、軍事活動や施設の状況を相互監視することを目的とした条約で、取得したデータは共有され、国家安全保障の理由では偵察が拒否できない条約となっています。これにより、お互いの軍事行動を監視しあうものです。
アメリカは「米国は他の締約国が順守せず、米国の国益にも合致しなくなった国際合意には残らない」として脱退します。ロシアがアメリカへの偵察飛行を通じ、サイバー攻撃の対象になる基幹インフラ情報を取得しているとも主張しています。
日本の国防としても考えておきたいことは2つあります。
上空監視は、偵察機から衛星の時代へ
1つ目は、衛星による偵察機能や、その情報をもとにしたAI分析などで、そもそもこの条約が不要な時代へと突入しているのです。民間でもグーグルマップの衛星写真が見られるレベルの時代です。公開情報でさえ軍事衛星の最大解像度は10cmです。人と人が握手をしたり戦闘で倒れたら瞬時にわかる解像度でさえ公開情報です。 こういった時代に、わざわざ偵察機を利用する必要性は薄れてきています。
これを知っていれば、日本はこの条約に非加入でも、日本の情報は衛星を使って他国に筒抜けになっているリスクを読み取ることができるでしょう。
中国は国際軍備管理条約に非加盟
2つ目は、中距離核戦力(INF)全廃条約もオープンスカイズも中国が非加盟です。もはや中国は軍事大国でもあり、中国を非加盟とした国際軍備管理条約は、世界の平和に対してのバランスがとれなくなってきています。 中国に物理的に近い日本は、この問題をもっともっと国際的に発信していく必要があろうかと思います。
何もしない事が最大のリスクになる
平和的条約を結んで何もしないことが平和につながると思い込んでいる人が多い日本人にとって、今回の脱退は脅威を感じるかもしれません。しかし、情勢は常に変化していくもの。自国の安全と利益を守るためにトランプ大統領は行動に出たのです。 常に情勢を分析し、過去にとらわれず最適だと思われる行動をする。 国にも個人にも求められる時代です。
完全無料のLINE@で不労所得システム&極秘情報等 配信中!